そろそろ新しい聴診器が欲しいなぁ
今回の記事は、透析室で数年経験して「そろそろ聴診器を買えかえるようかな」と思っている方や、ワンランク上を目指す方におススメの高性能聴診器をご紹介します。
高性能聴診器を手に入れて、先輩には対等に!!同僚には自慢を!!後輩から憧れを!!新しい聴診器を手に入れて明日からの診療に役立てて下さい。
今回ご紹介する聴診器は長年医療現場で使われてきたものばかりです。安心してご使用出来ると思います。
こんにちは。透析室で勤務している臨床工学技士のドイリーです。透析技士として17年勤務しています。取得資格としては
- 臨床工学技士免許
- ME2種
- 透析技術認定士
- 透析検定2級
- 透析検定1級
- 血液浄化専門臨床工学技士合格
などです。
今回は、そんな私がおすすめする聴診器をご紹介します。
透析室では主にシャント音を聞くのに聴診器を使います。正直言って、シャント音を聞く際に今回ご紹介する聴診器ほどの性能は必要ないかもしれません。
しかし、ワンランク上を目指す人には、ぜひ使っていただきたい聴診器です。
おすすめの高性能聴診器は3選
聴診器の名称や機能の説明はこちら
リットマン
リットマンは、ハーバード大学医学部教授のデイビッド・リットマン博士が、開発した聴診器です。リットマンの聴診器は、サスペンデッド・ダイアフラムを用いることで片側だけで低音・高音を聞き分けることができます。チューブを肉厚にする・ステンレスの耳管を使用するなど周囲の騒音を混入を防ぐことでクリアな音を聞けますが、その分重量が重くなっております。
現在は3Mにより販売されており、これまでに改善を繰り返しつつ世界的ブランドへと成長してきました。リットマンは、まさに聴診器の「代名詞」といえます。
透析室では、主にシャント音を聞くときに聴診器を使用します。シャント血管に狭窄があると高音の狭窄音が発生します。
リットマンの聴診器の特徴
- 優れた音響感度で微弱な音でも聞き分けれる。
- サスペンデッド・ダイアフラムで片側だけで低音・高音を聞き分けれる。
- グッドデザイン賞を受賞した洗練されたデザイン性。
- 世界一のブランド力。
サスペンデッド・ダイアフラム
リットマンの聴診器のサスペンデッド・ダイアフラムでは、聴診器を当てる力を変えることで、各周波数レンジを聴き分け、特定の音を聞くことができます。
軽くあてると低周波音を聴き取ることができ、強く押し当てると低周波音が排除され、呼吸音などの高周波音を聴き取ることができます。
医療従事者は、様々な病態ごとの音を聞き分ける必要があり、片面だけで高低音を聞き分けることができます。
洗練されたデザイン性
しなやかなチューブや金属部の光沢の美しさが評価され2011年に「リットマンエレクトロニックステルスコープ」がグッドデザイン賞金賞を受賞し、2012年に「リットマンステルスコープクラシックⅡ」がロングライフデザイン賞を受賞しています。カラーバリエーションも豊富でご自身の気に入った聴診器を見つけることができるのではないでしょうか。
リットマンの聴診器のシリーズ
- カーディオロジーシリーズ:リットマンの最上位器種。
- クラシックシリーズ:定番のハイグレードモデル。リットマンの人気No.1。
- ライトウエイト:女性でも扱いやすい軽量モデル。
- エレクトロニック:電子聴診器、ANRテクノロジーで周囲の騒音を85%低減、24倍まで音量を増幅できる。聴診音を録音もできる。
カーディオロジーは高性能ですが価格も高いため、透析室で使うのならクラシックⅢシリーズがおすすめです。
リットマン クラシックⅢの感想
メリット
なんと言ってもその知名度は、他の聴診器の比ではないと思います。誰が見ても「リットマンの聴診器」とわかることは、使う方自身にとって自信につながるのではないでしょうか。
サスペンデッド・ダイアフラムのおかげで、高周波の音も低周波の音も合わせて聞こえる感じがします。幅広い周波数の音を聞くことが出来るように感じます。
デメリット
唯一のデメリットはその重さでしょうか。聴音性をあげるために重くなっています。首にかけて仕事をすると、チェストピースの部分が肩や胸に当たって痛いです。また患者さんに当たることもあるので、ポケットの中に入れて仕事をする方もいます。
私自身、リットマンの聴診器に憧れて、使い始めて10年以上になります。
こんな方にオススメ!!
ケンツメディコ
ケンツメディコは埼玉県本庄市に本社を置く医療機器メーカーで、世界唯一のステレオ聴診器「ステレオフォネット」や各部品が取り外せる「マルチスコープ」などが有名です。
ステレオ聴診器は左右が分かれたチェストピースから、TWOinONE(1本のチューブに内腔が2本ある)に接続することで左右別々の音を聞くことができ、時間差・位相差情報・空間的広がり・音源方向が聞き取れます。
マルチスコープは、各部品が取り外せるため、清掃・交換が可能な聴診器です。部品を交換することで長く聴診器を使用することができます。
シャント音は血液の流れの状態を確認することが大切です。ステレオ聴診器ではより流れの音をリアルに感じとることができます。
ケンツメディコの特徴
- 世界で唯一のステレオ聴診器
- 信頼の日本製
- 日本人の耳にフィットする回転式イヤーピース
部品の鍛造から成形、組み立て・梱包まですべての工程が日本国内で行う。熟練した職人の丁寧な技により作り上げられる聴診器は、高性能で美しくもあります。
より軽く、より清潔に、より聴きやすく、音にこだわる純国産ステートです。
日本メーカーの信頼感
ケンツメディコの聴診器は全ての工程を日本国内で製造しております。そのため製品の品質には定評があります。
日本のメーカーが作っているだけ、イヤーピースなど日本人の耳に合うように作られております
世界唯一のステレオ聴診器
ステレオ聴診器「ステレオフォネットシリーズ」は1991年に風間繁医師によって開発され、聴診器のチェストピースを中央で完全独立させ、右側の音は右耳で、左側の音は左耳で聴ける仕様にすることで、立体的なステレオの音声で聴診を行うことを可能にしました。
その結果、肺のふくらみが目に浮かぶほど詳細に呼吸音が伝わるようになったり、呼吸音と心音が聞き分けやすくなったり、音の減衰が少なくなったりといったメリットが生まれました。
ケンツメディコの聴診器のシリーズ
- ステレオフォネット:ステレオ聴診器。
- マルチスコープ:ラパポートタイプの最高級機種。
ケンツメディコの聴診器の感想
メリット
ステレオ聴診器は、世界で唯一の技術で血液の流れなどを把握できる聴診器です。日本製のため、日本人の耳に合わせた作りになっています。
デメリット
すべてを日本国内で製造しているためか他の聴診器と比べて価格が高めになっています。
ケンツメディコを購入をされるのなら血液の流れがより鮮明に聞こえるステレオスコープがおススメです。
こんな方にオススメ
MDF
MDFの聴診器の特徴
1971年から聴診器をはじめ、打診器や血圧計を制作しています。
ユーザー登録を行うと聴診器のイヤーチップやダイヤフラムなどの交換部品は無料保証が付いてくる。
チェストピースはチタンから作られており軽く作らております。6つのアタッチメントを取り換えることで幅広い診療に用いることが出来ます。
MDFの聴診器のシリーズ
- クラシックカーディオロジー
- MDワン ステンレススチール
MDF 聴診器 MDF797BO ステンレススチール製の感想
メリット
コストパフォーマンスは優れていると思います。シャント音も大きく聞こえます。
デメリット
チューブがTWOinONEで、さらに肉厚のためチューブが太くなっております。サスペンデッド・ダイアフラムではないため片側だけで低周波音と高周波音を聞き分けることが出来ない。個人的には高周波部分の音が強く聞こえる感じがします。
こんな方におススメ!!
どの聴診器も1万円以上で、安くはないと思います。しかし、どの聴診器も価格に見合うだけの性能があると思います。買いたいと思った時が買え替え時です。
今回ご紹介した聴診器
ご自身にあった聴診器を見つけて、シャント管理に役立てください。
シャント管理に関する記事はこちら
今回の記事は以上です。最後まで読んでいただきありがとうございます。
コメント
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