医療従事者にとって聴診器は欠かせない仕事道具です。また、透析患者さんにとってもシャント音を聞くことは大切です。
普段から使う機会の多い聴診器ですか、各部の名称や性能の違い知らないことがあると思います。
この記事では、聴診器の名称や機能、材質などのによる性能の違いをご説明します。
聴診器の基礎は知っているという方、聴診器を新しいのに変えようと考えている方はこちら。
各部品の名称
主な構成部品
- チェストピース:音をひろう部分
- チューブ・耳管:チェストピースから音を耳に伝える部分
- イヤーチップ:耳に入れる部分
それでは、各部分ごとにご説明します。
チェストピース(集音部)
チェストピースは音を集める部分になります。
形状
チェストピースには形状により2種類に分けられます。
- シングルタイプ
- ダブルタイプ
シングルタイプとダブルタイプがあります。シングルタイプは片面のみ、ダブルタイプは両面で音を聞くことができます。
構造
さらに構造により2種類に分けられます。
- 膜(ダイアフラム)型
- ベル型
膜型は高周波数の音を、ベル型は全周波数の音を聞くのに適しております。しかしベル型は皮膚と密着していないと音が漏れるため広範囲で音を聞くのには不向きです。
そのため両面あるチェストピースでは片面が膜型で、もう片面がベル型となっております。
近年は各医療メーカーの技術の向上により、膜型でも低・高周波数の音が聞けるようになり、両面膜型という聴診器もあります。その場合、片側を成人用、もう片側を小児用に使い分けています。
材質
材質はステンレスや真鍮、アルミやプラスチックなどがあります。ステンレスや真鍮のように硬く重い材質の方が音が吸収されにくく聴診性能は良くなります。アルミやプラスチックは軽くて持ち運びやすく、価格も比較的安価です。
チューブ
チェストピースで拾った音を耳に伝える筒状のチューブです。素材は塩化ビニルやゴム製のものが多く流通しており、チューブの内径が大きくて短く、または厚みがあるものほど音の伝わりがよいといわれています。 低価格のものだとチューブ自体がこすれた時などに雑音を拾ってしまうこともあり、聴き取りづらくなる場合もあります。一般的なシングルチューブの他に、チューブ同士の接触ノイズを軽減するツーインワンタイプもあります。
耳管部
Y字になったチューブの先端から左右の耳に伸びた金属管です。
ステンレス製のほうが音がよく聞こえるが重く、アルミ製は軽いが音が伝わりが悪いくなります。
一般的に耳管とチューブを合わせてバイノーラルと呼びます。
イヤーチップ
イヤーチップは耳に入れる部分で、耳の形状に合わせて作られています。周囲の騒音を防いで、チェストピースからの音がよく聞こえるようにしています。
固いハードタイプ・やわらかいソフトタイプ・形状の大小・回転機能のあるものなどがあります。
バネ
耳を挟み込む役割。バネがチューブの中にあるものが内バネ式で、その反対が外バネ式です。
外バネ式では、バネの部分に髪の毛などひっかることがあるため現在は内バネ式が主流です。
シャフト
チェストピースの首の部分、チェストピースとチューブをつなぐ部分
リング
振動版(ダイヤフラム)を留めるリング
ベルカバー
ベル面のカバー
まとめ
聴診器も形状や性能も様々あります。最近はカラーバリエーションも豊富ですので、ご自身にあった聴診器を見つけてください。
聴診器をご購入を検討の方はこちらの記事を参考にしてください。
ご自身にあった聴診器が見つかったらシャント管理に役立ててください。
今回の記事は以上になります。最後まで読んでいただきありがとうございます。
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