透析施設での感染予防策って具体的に何をすればいいの?
透析患者さんがコロナウイルスに感染すると重症化すると言われております。また、透析治療は同一のフロアに多数の患者さんが同時に治療を行いますの感染のリスクの高い治療だと言えます。
コロナウイルスが流行している中で、透析室での感染予防は非常に重要だと言えます。
この記事では、透析施設での感染予防策をご説明したいと思います。
透析施設での感染予防の重要性
透析患者さんは、健常者よりも免疫力が低下していることがあり、日頃から感染症に注意が必要です。(透析患者さんの死亡原因の第2位が感染症です)
透析室では「透析施設における標準的な透析操作と感染予防に関するのガイドライン(五訂版)」を参考に各施設で感染対策を行うことが重要です。
透析患者さんの免疫機能に関する記事はこちら
透析施設で行う感染予防
透析施設では、日頃から感染予防に気を付けなければなりません。
具体的には…
- 標準予防策(スタンダードプリコーション)
- 環境衛生
この2点の徹底につきると思います。
標準予防策(スタンダードプリコーション)
標準予防策(スタンダードプリコーション)とは、「すべての人が何かしらの病原体を持っていると考え、処置の前後の手指消毒や必要に応じて個人防護具の着用を行うこと」を意味します。
個人防護具(PPE)の着用
ディスポーザブル手袋、サージカルマスク、ゴーグル(フェイスシールド)、プラスティックエプロン(ガウン)を着用すること
手指消毒の徹底
石鹸で手を洗うか速乾性の消毒薬による消毒を行う。
環境衛生
- リネン類は患者ごとに交換
- コンソール・ベッド周り・オーバーテーブルは治療終了ごとに清拭する
- 聴診器・体温計・血圧計は使用後に清拭
- 透析室での器具の清拭・消毒
透析患者さんへのお願い
透析施設の感染予防には透析患者さんのご協力も必要不可欠です。
- 透析室に入る前には手洗いを徹底する(手洗いはシャント感染の予防にも有効です。手だけでなくシャント肢全体を洗うようにしましょう)
- マスクの着用
- 毎日の体温測定をし、熱や咳がある場合は来院前に透析施設へ連絡する。
まとめ
現在日本のコロナウイルス感染者数は9万人以上となっておりますが、透析患者のコロナウイルス感染者数は270名です(10月9日時点)
透析患者さんは、密接した空間で集団での治療という感染リスクの中でも、大規模な集団感染の発生は少ない。これは、以前より透析施設ではガイドラインに従った感染管理が行われていたからかもしれません。
しかし、一般人口のコロナ感染による死亡率が1.9%にたいして、透析患者さんの死亡率は14.2%と高値であることに変わりはありません。
特に70歳以上の高齢者の感染率が高く・死亡率も高いため、高齢透析患者の感染予防に注意が必要です。
今回の記事は以上となります。最後まで読んでいただきありがとうございます。
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