透析患者さんにおける最新コロナウイルス感染状況【2月5時点】

2021年2月5日時点で発表されている透析患者さんのコロナ感染状況の記事です。
2021年1月7日に一都三県で緊急事態宣言が発令され3月7日まで延長になりました。一日の感染者数は減少傾向にありますが、一日の死者数は増加傾向にあります。また変異コロナウイルスも国内で検出されるようになっています。
コロナ病床使用率は依然高いままで、全国で52.0％であり、使用率の高いところは東京（73％）埼玉県（68％）、千葉（65％）、神奈川（60％）、三重（70％）大阪府（75％）兵庫県（78％）福岡県（84％）、沖縄（78％）になります。さらに東京都の重症患者対応病床はの使用率は113％となりっております。

以前より透析患者さんはコロナウイルスに感染すると重症化しやすいと言われており、透析患者さんはコロナウイルスに感染すると症状にかかわらず入院することになります。しかし現在は空き病床が少なく、すぐに入院が出来ないことや軽症であれば外来で透析を行うことも想定されます。
そのため、透析患者さんとってコロナウイルスに感染しないように日ごろから注意が必要です。

透析患者さんの免疫力が低下している原因の記事はこちら

透析患者さんの免疫力低下の原因【免疫力低下には糖尿病が深く関わっています】

透析治療は、透析患者さんが感染のリスクが高い（易感染性）、血液を体外に導いて治療するという治療法の特性、多数の患者を大きな透析室内で集団で治療を行うという治療環境などから、院内感染を起こしやすい医療であると言えます。透析患者さんは免疫力は低下しており、透析患者さんは感染症で亡くなる方が多く、日ごろから感染症に気を付けなければなりません。

透析室に感染予防の記事はこちら

透析患者はコロナに感染すると重症化するのか？

透析患者さんがコロナウイルスに感染すると重症化するというニュースが流れています。なぜ重症化するのか？また透析室で感染予防をするためには何が重要かを説明します。

日本透析医会・日本透析医学会・日本腎臓学会　新型コロナウイルス感染対策合同委員会の発表された最新の感染状況を皆様にお伝えしたいと思います。

国内における透析患者さんのコロナウイルス感染状況
世代別感染患者数
1. 透析患者世代別感染患者数

国内における透析患者さんのコロナウイルス感染状況

日本透析医会・日本透析医学会・日本腎臓学会　新型コロナウイルス感染対策合同委員会の発表では、累積感染者数は1047名、死亡者数は122名となっております。（2021年2月5日時点）。1月29日よりも感染者は59名増加し、死亡者数は9名増加しております。

日本透析医会・日本透析医学会・日本腎臓学会　新型コロナウイルス感染対策合同委員会（2月5日時点）

1月7日の緊急事態宣言後、新規感染者数は減少傾向にあります。

世代別感染患者数

透析患者世代別感染患者数

一般人口では20歳代・30歳代と若い年代の感染者が多いですが、透析患者さんは高齢化していることもあり、70歳代・80歳代の感染者が多いです。
また、死亡率も一般人口では平均1.4％なのに対して11.7％と高めになっているのが特徴です。特に高齢者の死亡率が高く80歳以上では死亡率が21.2％になります

年代	40歳未満	40歳代	50歳代	60歳代	70歳代	80歳以上	情報なし	全体
患者数(人)	18	97	156	217	273	212	74	1047
死亡者数(人)	0	2	8	19	46	45	2	122
死亡率(％)	0	2.1	5.1	8.8	16.8	21.2	2.7	11.7