腎代替療法専門指導士の仕事内容・メリット・活動事例・取得方法をご紹介

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スキルアップを目指したい!!
もっと患者さんに合った治療法を提供したい!!

腎臓の働きが低下すると、透析や移植などの腎代替療法が必要になります。しかし、腎代替療法には様々な種類や特徴があり、患者さんや家族にとっては選択や実施が難しいこともあります。そこで、腎代替療法の質向上を目指す専門職として、腎代替療法専門指導士という資格があります。この記事では、腎代替療法専門指導士の役割や活動事例、取得方法などをご紹介します。

腎代替療法専門指導士とは

腎代替療法専門指導士とは、透析や移植などの腎代替療法に関する知識や技術を持ち、患者さんやその家族、医療関係者に対して教育や指導を行うことができる医療専門職です。日本腎代替療法医療専門職推進協会が認定しており、資格取得には一定の条件を満たす必要があります。腎代替療法専門指導士は、患者さんのQOL(生活の質)向上や感染予防などに貢献する重要な役割を担っています。

腎代替療法専門指導士の目指すもの

  • SDM、ACPに基づく治療の選択
  • 在宅医療と腎移植の推進
  • 患者さんのADL、QOLの向上
ドイリー
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上記の目標を達成するためには、医師・看護師・臨床工学技士・薬剤師・栄養士・移植コーディネーターなどの多職種の連携体制の構築が重要となります。

腎代替療法専門指導士になるには

腎代替療法専門指導士になるには、以下の条件を満たす必要があります。

  • 過去10年以内に通算3年以上、腎臓病患者の療法選択指導業務、食事指導、薬剤服薬指導、移植コーディネートなどの医療現場に従事していること。
  • 看護師・保健師、管理栄養士、薬剤師、臨床工学技士、腎臓病療養指導士、移植コーディネータまたは医師の資格を有しており、各領域における認定資格を取得していること。
  • 腎代替療法選択指導に関する20単位(1単位50分)のe-ラーニング講義を受講し、各受講単位のe-ラーニング試験に全5問に正解すること。
  • 日本透析医学会年次学術集会総会で開催される「Q18 腎代替療法専門指導士について」の特別講習会(1単位)を受講すること。

これらの条件をクリアした後、日本透析医学会や日本腎代替療法医療専門職推進協会から資格証が発行されます。資格更新は5年ごとに必要になります。

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各領域の認定資格には、腎臓病病態栄養専門管理栄養士・腎臓病薬物療法専門認定薬剤師・血液浄化関連専門臨床工学技士・認定血液浄化関連臨床工学技士・認定レシピエント移植コーディネーターなどがあります。

腎代替療法専門指導士取得への手順

  1. 日本腎代替療法医療専門職推進協会に入会(年会費5000円)
  2. 会員専用サイトにログインし、e-ラーニングを申し込む(腎代替療法専門指導士の申請10,000円とe-ラーニング視聴手数料10,000円の計20,000円)
  3. e-ラーニングを視聴し、各設問に回答する
  4. 実務経験証明書、研修e-ラーニング受講証明書を提出
  5. 日本腎代替療法医療専門職推進協会理事会で審議の後、認定書を交付(登録料10,000円)
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腎代替療法専門指導士の認定は年度の4半期(6月、9月、12月、3月)の年4回行われます。

腎代替療法専門指導士の更新条件

3年ごとの腎代替療法専門指導士の更新条件は以下のとおりです。

  • 日本腎代替療法医療専門職推進協会の会員であり、資格認定期間中の会費を全納していること
  • 基盤とする学会あるいは関連学会の年次集会への参加記録が5年で5単位以上あること
  • 日本腎代替療法医療専門職推進協会が指定する講習会に5年間で3回以上出席すること
  • 更新時に腎臓移植、並びに在宅透析への研修記録を提出すること
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腎臓移植、ならびに在宅透析への研修記録の基本は、5年間の認定期間において所属施設にて、10例以上の腹膜透析患者がいること、さらに腎移植の登録患者さんが10例以上あることが必要ですが、達成できない場合には、研修記録を提出することで代用できます。

腎代替療法専門指導士になるメリットや目的

腎代替療法専門指導士とは、透析や移植などの腎代替療法に関する知識や技術を持ち、患者さんや家族、医療関係者などに教育や指導を行うことができる資格です。

腎代替療法専門指導士になるメリットは、以下のようなものがあります。

  • 腎代替療法の最新の知識や技術を学び、自分のスキルアップにつなげることができます。
  • 腎代替療法に関する教育や指導を行うことで、患者さんや家族のQOL(生活の質)向上に貢献できます。
  • 腎代替療法に関する教育や指導を行うことで、医療チームの一員として協働し、医療の質向上に貢献できます。
  • 腎代替療法専門指導士は日本透析医学会から認定される資格であり、日本腎代替療法医療専門職推進協会からも支援を受けられます。そのため、社会的な信頼性や評価が高まります。
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2022年の診療報酬改定で、透析導入期加算(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)の見直しがあり、導入期加算及び腎代替療法実績加算の算定要件として、「腎代替療法専門指導士が1人以上いること」が必要になります。

腎代替療法専門指導士の仕事内容について

腎代替療法専門指導士の仕事内容は、CKD(慢性腎臓病)の患者さんに対して、腎代替療法(透析や移植など)の選択や療養に関する指導を行うことです。腎臓病の進行を防ぎ、末期腎不全までの進展を防ぐことが目的です。また、透析医療だけでなく、移植医療や保存的腎臓療法を推進する役割もあります。

腎代替療法専門指導士の活動事例や体験談

腎代替療法専門指導士は、透析や移植などの治療の選択や実施に関して、患者さんや家族に情報提供や相談支援を行います。また、医師や看護師などの医療チームと連携して、患者さんのQOL(生活の質)向上に努めます。

以下は、腎代替療法専門指導士の活動事例や体験談です。

CKD(慢性腎臓病)の患者さんに対して、透析や移植などの腎代替療法の選択や療養指導を行う

透析開始前の患者さんとその家族に対して、腎代替療法の種類や特徴、メリット・デメリットなどを説明する「RRT選択支援プログラム」などを実施を実施している病院があります。このようなプログラムでは、腎代替療法専門指導士が個別面接やグループ教育を行い、患者さんの価値観や生活スタイルなどを考慮した治療選択を支援します。

職種横断的なチーム医療に貢献する

例えば透析患者さんに対しての栄養障害やサルコペニア(筋肉減少)、フレイル(虚弱)についてサポートを行います。腎代替療法専門指導士が看護師や管理栄養士など多職種と連携を取り栄養管理や運動指導などを行い、患者さんの身体的・精神的健康を改善することを目指します。

腎代替療法に関する教育・啓発活動を行う

腎代替療法専門指導士の目的の一つに在宅医療と腎移植の推進があげられます。本邦では約95%以上の透析患者さんが施設透析を選択します。在宅医療である腹膜透析は全体の3%ほどしかいません。また他国と比べると本邦では献腎移植が少なく、腎不全治療に対する一般の方の理解を広げる必要があると思われます。

これらの活躍は、透析医療だけでなく、移植医療や保存的腎臓療法を推進していくことにつながります。

最後に

腎代替療法専門指導士は、腎臓病の患者さんや家族にとって、大きな支えとなる専門職です。患者さんの価値観や生活スタイルに合わせた治療選択や実施を支援し、QOL(生活の質)向上に努めます。また、医師や看護師などの医療チームと連携して、安全かつ快適な治療ができるようにサポートします。腎代替療法専門指導士は、日本腎代替療法医療専門職推進協会が実施する講習を受けることで取得できる資格です。この記事では、その役割や活動事例、取得方法などをご紹介しました。もし興味があれば、ぜひ詳しく調べてみてください。

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